炭坑夫の末裔たち

かつて炭坑で賑わったまちの日常譚。飽くまでフィクション、です。

空気

図書館のジイさん、自転車のバアさん

日曜日のためか市立図書館は多くの利用者が来館していた。 しかし、その割には職員数が足りないように思えた。普段よりも1,2人少ないのではなかろうか?貸出カウンター前には手続きを待つ人々が滞留している。 いや、滞留の原因は員数不足だけではないよ…

産学官

ゴールデンウィークも終わり、日差しが強い。 この季節になると、町には海側からの風が吹き込む。 海側の風は暖かで適度な湿り気があり、それ自体は快適だ。ただし鼻が詰まっていればの話であるが。 海からの風は、上陸時に海岸のコンビナートから強い刺激臭…